今回は、有形固定資産の単元における補助簿である"固定資産台帳"について解説していきたいと思います。
これまで、学習されてきた方は、補助簿で何をやるかは、何となく察しているのではないでしょうか。
固定資産台帳では、当社が所有している固定資産の詳細を記録していきます。
具体的には、固定資産をいつ取得し、耐用年数は何年であるか、期首の帳簿価額や、当期の減価償却費など、固定資産に関する仕訳のことがほぼ全て記録されているものです。
それでは、実際に固定資産台帳を見てみましょう。
固定資産台帳
固定資産台帳を示す前に、当社の固定資産についての状況を設定しておきます。
①令和2年4月1日に工場として建物(耐用年数20年、取得原価¥20,000)を取得。
②令和3年4月1日に備品A(耐用年数5年、取得原価¥500)を取得。
この令和4年3月31日時点の固定資産台帳に記録するとどうなるでしょうか。
先ず、①について減価償却費を計算しておきます。
耐用年数が20年で、取得原価が¥20,000であることから、減価償却費は、
20,000/20 = 1,000 となります。
そして、期首(令和3年4月1日)の減価償却累計額は、一年しか経過していないため、¥1,000となります。
従って、期首の帳簿価額は差引して、¥19,000です。
次に、②についての減価償却費を計算し、帳簿価額を算出します。
耐用年数が5年で、取得原価¥500であることから、減価償却費は、
500/5 = 100 となります。
そして、期首(令和3年4月1日)に取得したため減価償却累計額は、なしです。
従って、期首の帳簿価額は取得原価のままで。¥500です。
この情報を一気に集約するのが、以下に示す固定資産台帳です。
最後に
如何でしょうか。
今回の補助簿は、有形固定資産に関するあらゆる仕訳を一つの帳簿に記録したものであることが理解して頂けたと思います。
今回は取り上げませんでしたが、固定資産台帳の一部のみが与えられて、今期の決算整理である減価償却を行う場合などがあります。
必ず、固定資産台帳から、固定資産の状況(いつ取得し、何年目か等)が把握できる様にしましょう。
それでは、今回は以上です。