今回の仕訳問題は、電子記録債権と債務に関する問題です。
電子記録債権と債務は、でんさいネットと呼ばれる電子記録を行った金銭の債権・債務の事を示します。
この記録は取引している金融機関を通じて行われ、この電子記録は他人へ譲渡することが可能です。また、この債務は期日が到来すると、指定した銀行口座を通じて、自動的に決済される性質を持ちます。
それでは、この仕訳を確認していきましょう。
次の各取引を仕訳しなさい。尚、勘定科目は次の中から最も適当なものを選び解答すること。
現金 普通預金 当座預金 売掛金 買掛金
電子記録債権 電子記録債務 売上 仕入
(1)P社はQ社に商品¥600,000を売上、代金を掛けとした。
(2)上記(1)の売上代金について、取引銀行を通じて発生記録の請求を行い、Q社の承諾を得て電子記録債権が生じた。
(3)上記(2)の債権の期日が到来し、代金¥600,000が当座預金へ振り込まれた。
(4)P社はR社から商品¥300,000を掛けで仕入れた。
(5)上記(4)の仕入代金について、取引銀行を通じて発生記録の請求を行い、R社の承諾を得て電子記録債務が生じた。
(6))上記(5)の債務の期日が到来し、代金が当座預金から引き落とされ決済した。
解答
番号 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | |
---|---|---|---|---|---|
(1) | 売掛金 | 600,000 | 売上 | 600,000 | |
(2) | 電子記録債権 | 600,000 | 売掛金 | 600,000 | |
(3) | 当座預金 | 600,000 | 電子記録債権 | 600,000 | |
(4) | 仕入 | 300,000 | 買掛金 | 300,000 | |
(5) | 買掛金 | 300,000 | 電子記録債務 | 300,000 | |
(6) | 電子記録債務 | 300,000 | 当座預金 | 300,000 |
解説
(1)~(3)の仕訳について
売上代金に係る債権を電子記録した場合の仕訳問題です。
(1)の仕訳は3分法で仕訳を行い、生じた売掛金を(2)の仕訳で、電子記録債権として電子記録の会計処理を行います。
(4)~(6)の仕訳について
仕入代金に係る債務を電子記録した場合の仕訳問題です。
(4)の仕訳で商品取引で生じた買掛金を、(5)の仕訳で電子記録債務として会計処理します。そして、期日が到来したら自動的に支払いを行います。