今回勉強する内容は、お金を貸し借りした場合の仕訳である"商品売買以外の債権・債務"です。
貸付金と借入金は簿記3級で頻出ですので
しっかり理解しましょう!
貸付金・・・お金を貸した側。貸付金勘定を用いて処理する。
→貸付金は後日お金の返済を請求できる権利です。権利は資産。
借入金・・・お金を借りる側。借入金勘定を用いて処理する。
→借入金は後日お金を返済しなければならない義務です。義務は負債。
そして、お金の貸し借りは普段の私達の生活と同じように"利息"が発生します。
利息を受け取る場合・・・受取利息勘定で仕訳。(収益勘定)
利息を支払う場合・・・支払利息勘定で仕訳。(費用勘定)
それでは、例題より確認していきましょう。
貸付金の仕訳
当社は得意先へ現金¥2,000を貸し付けた。利息は年利1%で、元金返却時に受け取ることになっている。
貸付金、現金
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
貸付金 | 2,000 | 現金 | 2,000 |
貸付金は将来現金を請求できる権利であり、資産です。
従って、資産の増加は借方に仕訳をします。
そして、資産である現金が減少するため、現金は貸方に仕訳をします。
補足) 利息は元金返却時であるため、この時点では発生しません。
次に、貸し付けたお金が返済された場合を見ていきましょう。
ちょうど一年前に貸し付けた現金¥2,000が本日現金で返済された。
尚、その時に年利1%の利子も込みで受けとった。
貸付金、現金、受取利息
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 | 2,020 | 貸付金 受取利息 | 2,000 20 |
貸付金という資産が減少するため、貸方に仕訳を行います。
また、収益として受取利息が年利1%で20円発生(2000×0.01=20)しているため、貸方に仕訳を行います。
そして、現金という資産が増加するため、借方に現金を仕訳します。
借入金の仕訳
当社は得意先から¥1,000を借り入れ、年利1%分の利息を差し引いた現金で受け取った。
借入金、現金、支払利息
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金 支払利息 | 990 10 | 借入金 | 1,000 |
借入金は将来現金を返済しなければならない義務であり、負債です。
従って、負債の増加は貸方に仕訳をします。
そして、資産である現金が借入によって増加するため、現金は借方に仕訳をします。しかし、利息分10円を差し引いて金額を現金として計上し、10円は支払った費用なので、借方に支払利息として計上します。
補足) 役員貸付金・役員借入金
金銭の貸し借りは貸付金と借入金で仕訳を行うのが基本ですが、
一部例外があります。
会社の役員に対するお金の貸し借りをした場合は、
頭に"役員"を付けて仕訳を行います。
つまり、役員に現金¥1,000を貸した場合、勘定科目は
借方に役員貸付金となります。
一応覚えておいてください。
最後に
如何でしょうか。債権・債務は性質毎に勘定科目が異なりますが、どれも同じ、ワンパターンの仕訳です。
権利であれば、増加した場合貸方に仕訳を行い、義務であれば、増加した場合借方に仕訳を行います。
これが債権・債務では重要です。
もっと、問題に挑戦したい方は、以下のボタンより、仕訳問題を解いてみて下さい。