この本は、GWの時に本屋に立ち寄った際に、たまたま目に入り、ストーリーの触りだけをみて、読んでみたいと思ったため、購入しました。
本の内容は、大学の研究生活の日々を綴った小説で、主人公の橋場君が研究者として、一人の大人として成長する過程を感じることが出来ます。
この小説を読もうと思ったきっかけも、自分が昔大学で研究をしていたこともあったため、少しばかり研究に関してシンパシーを感じることが出来るかもしれないと思ったためです。
実際、読んでみて、今思い返すと研究の日々は大変だったけど、いい思い出だったと思いますし、その点がこの小説を読んで、自分が感情移入しやすかった点と考えられます。
理系出身の方なら誰もが通る"論文"の執筆。
そして、"研究とは何ぞや"、と指導教員に時間を教わった日々を思い起こします。
森博嗣さんと言えば・・・
森博嗣さんと言えば、デビュー作のミステリー小説である"すべてがFになる"が有名かと思います。
そんな中、今回の"喜嶋先生の静かな世界"はミステリー小説ではありません。
そういった点から、本作は一風変わった作品ではないかなぁと思います。
作中に出てくる人は、どれも特徴的な人ばかりで、一人一人の個性が際立ちます。
タイトルの"喜嶋先生"は本当に個性があり、読んでいて面白かったです。
そして、森博嗣さんは工学博士の学位を取得されており、もしかしたら、本作は作者自身の自叙伝なのかもしれません。
そう思える程、読んでいて、研究ってそうだよね~と何度も感じたためです。
最後に
いずれにせよ、私自身とても読みやすい小説でした。
皆さんも、書店で見かけた際に少し本書を手に取り、読んでみてください。
結構癖の強い主人公と、喜嶋先生達の物語に惹かれるのではないでしょうか?