取り上げる本について
出版社:NTT出版
タイトル:「使える脳の鍛え方~成功する学習の科学~」
著者:ピーター・ブラウン + ヘンリー・ローディガー + マーク・マクダニエル
訳:依田 卓巳
・勉強したことを自分の知識として着実に蓄えたい人
・今まで勉強で成果が出せなかった人
読者ターゲットに書いた通り、勉強の質を高めて長期的に自身の成長を促したいと考えている人は是非とも、読んでいただきたい本です。
感想
私自身、この本はできれば高校生くらいの時に読んでおきたかったです。
高校生の時にこの本を読んでいれば、勉強の質が向上し、ワンランク上の大学も全然狙えることが出来たのではないかと思います。
この本で書かれている内容は、今まで勉強を何となく行ってきた人であれば、目から鱗が落ちるくらいの衝撃の内容です。
昔から勉強法として採用されてきた、集中学習や教科書の再度やマーカーを引くといった内容を一蹴し、そんな学習ではせっかく勉強した内容を長期記憶に留められないとしています。
そして、本書では新たな学習方法を提示し、如何にこの方法が有効であるかを示しています。
今までの内容を否定し、なぜダメなのか、そして新たな内容がなぜ良いのかが書かれているため、読んでいて納得しやすく、抵抗はあるものの新たなに提案している学習法を取り入れる価値があると判断させてくれます。
本書を読み終え、ちょうど簿記1級の学習の真っ最中でありますが、"想起学習"を取り入れ、学習の効率・意義を向上させているところです。
想起学習と省察の重要性
本書では何点の学習法について提示していますが、その中でも私は想起学習と省察について書いていきたいと思います。
想起学習
学習して記憶したことがらも、いずれは忘れていきます。
そういった課題に対し、想起学習は記憶を強くする働きを持ちます。
想起とは、いわば思い出すことです。
学習した内容を思い出すことが重要で、思い出せなくても、思い出そうとすることが重要な行動となっています。
思い出す際に、その手掛かりを見つけ、そこから芋づる式に思い出せる様になると、学習した内容がどんどん長期記憶に移行し、自身の知識として蓄えられていきます。
ここで重要な点は、容易に思い出せないことです。思い出すことに困難を極める程、長期記憶に移行しやすくなります。
簡単に思い出せる内容は逆に身にならない点に注意が必要です。
省察
省察は聞きなれない言葉かもしれません。
この言葉の意味を調べてみると、
"自分のことを省(かえり)みて、その良し悪しを考えめぐらすこと"とありました。
その言葉を本書で述べられた内容と照らし合わせると、過去の経験や知識をもとに内容を精査し、今取り掛かっている事象の検証にあたることであると私は思います。
簡単に言えば、学習した内容等をそのままにするのではなく、度々立ち止まり振り返ってみて、現在に活かせる内容なないか検討するということではないでしょう?
こういった省察は、意識しないと中々できません。出来ていそうで出来ていません。
従って、そういった過去の経験等と今を結びつけることを意識的にできる様にすると、自身の知識と経験が更に昇華されていくのではないでしょうか?
最後に
勉強は誰もがやってきたと思いますが、それを使いこなしたり、長期的に記憶することは意外と難しいのではないでしょうか。
私も勉強した内容をすぐに忘れてしまうのですが、"記憶に定着させる"ための学習は、思い出したりすることが大切です。
今、日商簿記1級の学習をしていますが、こういった内容をしっかり取り入れ、詰め込み学習にならないようにしていきたいです。
それでは、以上です。