脳を鍛え、心と体を強靭にする運動の驚異的な効果 / (脳を鍛えるには運動しかない)

取り上げる本について

出版社:NHK出版 
タイトル"脳を鍛えるには運動しかない 最新科学でわかった脳細胞の増やし方"
著者:ジョンJ.レイティ

読者ターゲット層 ※私見です
・自身のパフォーマンスを向上させたい人
・脳のメカニズムが知りたい人

 脳を鍛えるために何が有効かと考えた時、"勉強"であったり"数独"といった、考えることをすることを継続的に行うことによって鍛えられると思ってしまいがちです。

 私もその一人であるのですが、本書では、運動そのものを取り組むことによって脳が鍛えられ、学力が向上するといった科学的なデータを提示しながら、脳と運動の関係性が全10章にわたって語られています。

 その中で、運動で脳が鍛えられ、脳が鍛えられる過程でメンタル力を高めることも解説されています。

 従って、本書のタイトルの言うように、この本を読むと"運動最強じゃね?"といった価値観が芽生え、運動を自発的に取り組む意志の手助けになります。

 本書は、初めに運動によって脳が鍛えられた結果を提示し、その後、脳細胞のメカニズムが解説され、最後に具体的にどのような運動をすればよいか解説されています。
 何が、運動によって脳を鍛えるとはIQ向上だけではなく、メンタルを鍛える(抗うつ効果)に繋がるのか気になる方は、是非ご一読下さい。

簡単解説

 本書では、運動と脳の結びつきを実験データを基に解説されたものです。

運動のメリット
 ●脳を鍛え、学習能力向上が示唆されている。
 ●ストレス発散およびストレス耐性が付く。
 ●悪習慣を断つ可能がある。

本書を読むメリット
 運動へのモチベーション向上につながる。
理由:運動がなぜ良いかが科学的な知見を基に示されているため。

了読し、過去の自分へ贈る言葉

 学生の時、大学受験等や試験勉強で、ひたすら問題集を解いて家にいた自分へ、もしこの本を読んでいたのなら、学力を伸ばすためにも適度に運動をし、総合的に脳を鍛えて欲しい。

 今は、社会人となり給料をもらう為に平日は毎日出勤しているけど、自分の身体が健康であることが今では一番大切だと考えています。運動することが、体を丈夫にし、精神も安定させるのであれば、もっと若いうちから生活習慣として取り入れる方が良いと思う。

 目先の問題を解決することも重要だと思うのだけれど、この世にいる限り、自分の身体と一生付き合っていくのだから、運動せよ。

本書の概要

第1章:革命へようこそ―運動と脳に関するケーススタディ

第2章 :学習―脳細胞を育てよう

第3章:ストレス―最大の障害

第4章:不安―パニックを避ける

第5章:うつ―気分をよくする

第6章:注意欠陥障害―注意散漫から脱け出す

第7章:依存症―セルフコントロールのしくみを再生する

第8章:ホルモンの変化―女性の脳に及ぼす影響

第9章:加齢―賢く老いる

第10章:鍛錬―脳を作る

 章引用:NHK出版 [電子版]脳を鍛えるには運動しかない! https://www.nhk-book.co.jp/detail/000243007970000.html

各章ごとの感想または要約

各章毎の感想・要約を書いていきます。(全10章)

第1章
 運動が生活にどれだけ良い影響を与えるかを科学的事実ベースで語っている章。具体例が豊富にあり、恐らく次からの章で述べるであろう運動と脳の科学的な説明を前に、ゴールを読者に見せているのではないかと感じた。

第2章
 脳細胞、記憶と運動の関係性を科学的事実を基に述べられている。この章では、専門用語が頻繁に出てくるが、1つ1つ丁寧に論述されている。

第3章
 ストレスが免疫系や脳に与えるメリットとデメリットが述べられている。ストレスは過度にかかると有害であるが、一定のストレスとその対策を行うことで、免疫系と脳が大幅に強化されるといった内容には驚いた。

第4章
 不安障害と運動の関係を示している。ここでも、運動が不安障害に対し何が有効であるのかを科学的根拠を基に述べられている。

第5章
 うつと運動について書かれている。塞ぎ込む、または閉鎖的な思考に対し、外に出て運動することは効果的である。確かに直感的にも納得がいく内容である。

第6章
 運動をどれくらいすると良いか、著者の意見が述べられている。頻度と時間を明確に示しているのは、恐らくこの章が初めてであると思う。この章まで読んで、運動最強かよって思い始めた。

第7章
 ここでいったん運動の効能についてのまとめをしている様に感じられた。良い依存と悪い依存について書かれているが、何事もやりすぎは良くないということであろう。

第8章
 妊婦が運動することが良い効果をもたらすことには驚いた。安静にしなければならないとおもっていたからである。もちろん医師から許可は必要であるが、母親と子供の両方に良い影響が得られるようだ。

第9章
 老化による脳への影響と対策が述べられている。まだ、私自身60代となるまで期間は長いが、やはり運動を習慣的に行うことは、老いに対抗し、若々しく生きる全てあることを再認識した。

第10章
 総括の章であり、最後に著者の運動に関する体験・経験が述べられている。無理なく運動を続け、自身のパフォーマンス向上に努めたいと思った。

最後に

 運動によって、体を鍛えることにより、結果として脳を鍛えることになる。脳を鍛えるというのは、学習能力向上だけでなく、メンタル力も同時に鍛えることにもつながります。

 しかも、運動≒抗うつ効果があるというのも読んで驚きでした。

 そもそも、人間は運動をして生きてきたはずです。食べ物を取るため、相手に情報を伝達するため等、歩いて行動してきたと思います。

 従って、現代人は運動をしなさすぎといえるのではないのでしょうか。

 運動をすることは、脳細胞を増やし、自身を今以上に変えてくれる無料の行動です。そして理屈を知れば、自らを奮い立たせる原動力になり得ると私自身思っています。

 是非本書を読み、運動をすることによって何が良くなることにより脳が鍛えられるかを知り、これからの生活を今以上により良いものに変えていきましょう。

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