取り上げる本
講談社
タイトル:僕は君たちに武器を配りたい
著者:瀧本哲史
この本は2011年に出版されたのですが、今の日本現状・問題点を的確に言い当てており、本の内容を私自身理解し、自身の行動や価値観を変えていかなければならないと実感した為、紹介したいと思います。
この本は通常の単行本とエッセンシャル版(文庫版)があります。値段より、エッセンシャル版(550円程度)の方が遥かに安いため、ご購入し読まれる方はエッセンシャル版を私はお勧めします。
了読し、過去の自分に贈る言葉
この本が出版された時は、自分はまだ学生だと思います。この学生の時に著者の考え方に触れていたら、受け身の人生・時間を送ることはなかったかもしれません。
なんとなく人生を過ごしていた学生時代の時に、どのように生きていくかを考え、そのために何が必要を自分で見極められる様になれたら、今の自分はもう少しできることが増えていたのではないかと思います。
いわばスペシャルな存在、替えが利かない存在となるためにどうすれば良いか、それを若い内に頭の片隅に持って行動して欲しいです。
感想
この本の主張として、過去の生き方はこれからは通用しないといった事が語られています。読むと恐れめいたものを感じるかもしれませんが、正しく未来に怯え対処していく術を学べると思います。本書のタイトル通り、どのように未来に立ち向かうのか、そのための武器を著者から得られるわけです。実際私自身、こうしてブログを開設し、コツコツと更新できているのは、本書のおかげかもしれません。
概要
本の表紙に書かれている通り、本書は非情で残酷な日本社会を生き抜くための「ゲリラ戦」の勧めであります。
どういった人材が日本経済で求められているかが、具体例を用いて述べられており、人材のパターンも同時に明示することで、現状の自身と比較しどれに当てはまるか考察することができます。
変化の激しい現代をどう生き抜くか、本書でその道標を垣間見ることができます。
本書は全9章で構成されています。
各章を私なりに改名すると以下の様になります。
第1章:勉強ができるだけでは意味がない
第2章:資本主義の概要
第3章:今の資本主義
第4章:人生戦略の4つのタイプ
第5章:顧客のニーズに応える人
第6章:革新人
第7章:型破りな人
第8章:投資家の考え方
第9章:予測不可能な未来
問題提起が第3章まであり、それからその問題に対しどう対処していくかが書かれていると感じました。
本書で重要な点が2つあります。
①日本社会の構造が変わっている
②長期的な視点(投資家)となって自分の人生設計をしなければならない
以上の2点が本書を読むと、大きな気づきとなる考え方です。
それでは一つずつ解説していきます。
①コモディティ化が加速している
経済学や投資の分野で"コモディティ"とは、普段私たちが用いるコモディティ=日用品とは性質が異なる。
市場に出回っている商品が、個性を失い、消費者にとってどれも大差ない状態のこと、それをコモディティ化と呼ぶ。つまり、経済学や投資の分野では、個性のないもの=コモディティなのである。このコモディティ化が、労働市場でも今現在起きていると哲史さんは指摘しています。
工業製品はどの会社でも高品質であるため、値段が買いたたかれ、安くせざるを得なくなる(コモディティ化)。人材も例えば、MBAを取得した人を採用しようとすると、今現在その条件を満たす人が多くいるため、賃金を安くしても働いてくれる方が採用され、MBAを取得しただけでは意味を成さないのです。
この状況を打破するためには、スペシャリティになるしか方法はないです。
つまり、コモディティとは正反対の性質を目指せすことに価値があるということです。
このスペシャリティは、他の言葉に置き換えると、唯一無二の存在(オリジナルな人)になる、他人で代用できない人になるということである。
このスペシャリティの意味を深く理解するためには、資本主義経済を理解していないといけないです。是非本書を手に取り、2章を読んで頂きたいと思います。
先ほどの例をもとにスペシャリティを簡単に説明すると、MBAの取得+αの価値を付加するといったことです。
言い換えると、MBAの経営スキルはあくまでサブとして活用し、他のスキルと組み合わて運用することによって、自分の頭で物事を理解・分析し、他の人には提供できない価値を相手に届けるということだと思います。
そのためには、MBA取得することが人生のゴールとなってはいけないです。常に行動し、自身の能力を高めなければならないということになるのではないでしょうか。
つまり、現状維持は害悪でしかなりません。
②投資家として生きていく
①の話から、周りと同じことをやっている人に価値がなくなってきている時代に、今の日本はあるため、唯一無二の存在になることが必要となります。それでは、唯一無二の存在になるために、どのような考え方で、毎日を生きていくかを②で解説していきます。
投資は目先の損得を無視し、長期的なリターンを得ることを考えることにあります。
今の日本の労働も投資家的な考え方をすると、働き方が変わってきます。
長期的な視点で物事を考えていたら、目先(毎月)の給料を増やそうと、無駄な残業をして少しでも残業代を稼ごうとしたり、自分が日々行うことに対し楽をしようと思わなくなると思います。
投資家の考えを実際に行動に反映させるのであれば、例えば、時給で働くのではなく、売上に応じて報酬が得られるような形にできないか上司に交渉する必要があります。
こうすることで、一人の労働者ではなく、売上を伸ばすために、現状の問題点を分析し改善するといった価値を提供できる人になります。
つまりそれは、自分の頭で考えて行動するようになる。
投資家は分析(現状把握)の手間を惜しまないと言います。実際に自分の頭で考え、行動し、経験する。この一連の流れが投資家としての考える習慣である。これが実践できると、他の人に簡単に模倣されない経験値として自分の価値を高め、スペシャリティな存在へとなっていくのです。
ここで気を付けてなくてはいけないのは、"投機家"ではないということです。
投資と言えば、株式投資を思い浮かべる人が多いと思います。毎日パソコンに貼り付き、チャートから目を離さず、株価が下がったらすぐに買い注文を入れ、上がったら売るといったイメージをもっている人は注意が必要です。これは投資家ではなく、投機家です。株式の場での投資家は、今後成長しそうな会社にお金(資本)を長期的に投資し、将来儲かったら還元してもらうというものです。
この株式投資と同じように、長期的にみてどうか、日々の浮き沈みは気にせずに淡々と自身の成長を促せるかが大切ということではないでしょうか。
参考資料
Youtubeにて、本書が解説されているものが多数あります。
その中でも、わかりやすかったものを1チャンネル紹介すると、"アバタロー"さんの動画です。以下に、前後半2つ添付します。是非参考にしてください。
又、NEWS PICKSに本書の内容が語られている、滝本哲史氏のインタビュー記事がありますので参考までに添付します。"インタビュー記事へ移動"
最後に
本書の著者、瀧本哲史さんは、日本の意識改革を訴え、私自身も本書以外に"戦略がすべて"を読み、大きな影響を与えて頂きました。少しでも、瀧本さんが主張していたことを理解し、行動していくことが、日本をより良くしていくことと信じています。何か問題が起きた時、誰かのせいにして解決するのはとても簡単だと思います。しかし、この行動で自分自身に還元されるものは何もなく、変化の無い人生となると考えます。是非本書をご一読頂き、投資家としての考え方に触れて頂きたいと思います。
以上です!