今年2月の急落相場から大きく回復し、暴落前くらいの価格に戻っているETFであるVIGについて解説していきます。
この”VIG”は10年以上連続して増配の実績を持つ米国株で構成されたETFであり、高配当株投資家の間で愛されているETFと言えます。更に特徴としては不動産(REIT)が除外されている点です。
連続増配とは?
VIGの特徴は、連続増配銘柄で構成されている点です。
この連続増配は、簡単に言えば、一株当たりの配当金が毎年増えていることを指します。
つまり、配当金が今年100円であれば、来年は101円、その次は102円の様に、増えていくということです。
この連続増配のメリットとしては、資産形成がし易い点だと考えます。
例えば、毎年1万円の配当金を得られる様にVIGに投資したとすると、来年も1万円以上得られる可能性が高いことになります。理由は連続増配銘柄で構成されているためです。
もちろん、投資の世界で絶対はあり得ませんが、理屈上連続増配銘柄で構成されているため、将来の見通しが他のETFよりも比較的立てやすいと思います。
デメリットとしては、こうした連続増配銘柄は成熟企業が多いため、短期的なキャピタルゲインが狙いずらい点です。つまり企業の大きな成長が見込めないということです。
連続増配銘柄として、皆が良く知っているアメリカ企業は、”コカ・コーラ”が挙げられます。
コカ・コーラは成熟企業で、安定した収益を上げている一方で、Googleやテスラといった企業と比べて、大きな成長は見込みずらいのではないでしょうか。
つまり、VIGはこうした、成熟企業し安定した企業に投資するといった見方もできます。
自身のポートフォリオに組み入れる価値は十分にありそうです。
VIGの概要
VIGの正式名称:バンガード・米国増配株式ETF
運用会社:Vanguard
【2020年9月23日bloomberg情報】
経費率:0.06%
直近配当利回り(税込):1.88%
5年トータルリターン:13.66%
5年トータルリターン:14.25% (2020年12月24日bloomberg情報)
配当利回りでみると、HDVやSPYDなどの他の高配当ETFと見劣りしてしまいます。
しかし、このETFは連続増配銘柄に絞っていることから、成熟した安定企業が多いです。
従って、他の高配当ETFが経済状況が悪化し、大きく値を下げて価格が未だ回復していない中でも、VIGは2020年頭の価格に値を戻しています。
そういった、分配金だけでなく、ETFとしての堅牢が考察できるETFです。
VIGの上位10銘柄/セクター組み入れ割合 (2020.9.23時点)
2020年9月23日時点の保有銘柄の詳細(上位10銘柄)は以下の表の通りです。(バンガードHPより参照)

VIGは連続増配銘柄に連動するように構成されたETFであるため、MicrosoftやJohnson&Johnson等増配銘柄としてよく知られている株がしっかり組み入れられ、更にそれが高い比率で組み入れられています。
セクター割合の比率は以下の通りです。※2020年9月23日時点 (バンガードHPより参照)

消費サービスは一番セクター割合が高いです。
消費サービスは堅牢な売上が計上でき、成熟企業が多いため、その結果として連続増配の企業が多いということが考察できます。
VIGの上位10銘柄/セクター組み入れ割合 (2020.11.30時点)
2020年11月30日時点の保有銘柄の上位10銘柄は以下の通りです。

順位の変動は3か月で多少ありましたが、前と同じ顔触れです。
どれも皆が良く知る企業ばかりです。
次にセクター割合は以下の通りです。

9月と比べて名称が少し変わっていたり、金融の割合が減っていることがわかります。
金融セクターは、経済活動が停滞し、金利が低下しているため、連続増配が難しくなっているため、VIG内での比率が低くなっていると推察できます。
運用するメリットはあるか
連続増配銘柄で構成されたVIGを投資するか悩む方は多いのではないでしょうか。
理由としては、ある程度の配当金を得られて、チャートもS&P500と似ており長期的にみればキャピタルゲインを十分に狙える可能性があるETFであるためです。
長期的な視点で投資を行い、コツコツとキャッシュを潤し資産を増やしたい方は検討の余地があるかもしれません。
ある意味で、日本人向けの投資先と言えるのではないでしょうか?
他のETFと投資先として悩むとすれば、私なら高財務+高配当株のHDVです。
HDVって何?と思う方は過去に紹介しています。良かったら参考にしてみてください。
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